慢性的な下痢の症例
薬石花房 幸福薬局 の漢方薬で下痢が改善した症例
(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高)
こちらは症例紹介ページです。下痢の解説ページは こちら へどうぞ
■症例1「よく下痢をします。ねっとりとした、臭い便です」
この患者さんはアルコール類が好きで外食が多く、つまみには脂っこい物や味の濃い物をよく注文します。口が渇きやすく、口臭が気になります。舌には黄色い舌苔がべっとりと付着しています。
この人の証は「湿熱痢」です。脂っこい物や味の濃い物、辛い物などの刺激物、生もの、不潔な物、アルコール類を日常的に多く摂取していると、体内に湿熱が蓄積されます。湿熱は体内で過剰な湿邪と熱邪が結合した物です。
湿熱は消化吸収機能を阻害し、その結果、下痢が生じます。便がねっとりしている、便が臭い、口が渇く、口臭がする、舌に黄色い舌苔がべっとりと付着している、などはこの証の特徴です。排便時に肛門がひりひり熱く感じる場合もあります。五臓六腑の脾胃に湿熱が停滞しているので、「脾胃湿熱(ひいしつねつ)」証ともいいます。
この証の人に対しては、湿熱を除去する漢方薬を使います。この人は2カ月間ほど漢方薬を服用し、下痢を解消しました。
◆こんなケースも
軟便でしぶり腹(便意をもよおすのに便が少量しか出ない状態。テネスムス、裏急後重ともいう)の場合は、湿熱が大腸を刺激している「大腸湿熱(だいちょうしつねつ)」証です。便が肛門ごと出てきそうな不快な痛みをともなうこともあります。この場合は大腸湿熱を取り除く処方を用います。
冷たい飲食物のとりすぎや、寒い環境での滞在により、下痢となる場合もあります。寒冷刺激により発生した寒湿が脾胃の機能を低下させている状態です。
寒湿は体内で寒邪と湿邪が結合した物です。この証を「寒湿痢」といいます。湿熱痢と違い、便の臭いは強くなく、便は水様で、ときに未消化便となります。この証の場合は、からだを温めて消化吸収機能を強める漢方薬を使います
■症例2「むかしから軟便ぎみで、よく下痢をします。食事をするとすぐ便意をもよおし、トイレに行きます。一日に何回も排便します」
疲れやすく、食欲は旺盛な方ではありません。便はしっかりした形ではなく泥状で、ときに水様の便が出ますが、おなかが痛くなることはほとんどありません。舌は白っぽく、ぽってりとしています。
この人の証は「脾気虚」です。五臓の脾がつかさどる消化器系の機能が弱い体質です。体力的にも丈夫でない人が多く、ちょっとしたことで下痢なります。食後すぐ排便するのは、この証の下痢の特徴です。
この体質の場合は、脾気を強めて胃腸機能を丈夫にする漢方薬が効果的です。この人は漢方薬を服用して少しずつしっかりした便が出るようになり、1年後にはすっかり元気になりました。
◆こんなケースも
おなかや手足が冷えやすく、消化不良ぎみの場合は「脾陽虚」証です。脾気虚証に加えて、からだを温める力が衰えている体質です。この場合は腹部を温めて消化吸収機能を高める漢方薬を使って下痢体質を改善していきます。
■症例3「おなかの調子がよくありません。おなかが張りやすく、不快感があります。ストレスや緊張で腹痛が生じ、トイレに駆け込むと下痢が出ます」
腹部でよく、ゴロゴロと音が鳴ります。用を足したあともまだ便が残っているような感じがして、すっきりしません。いらいらしやすく、緊張しやすいタイプです。仕事が休みの日などは腹痛もなく、すっきりと便が出ることがあります。舌をみると赤い色をしています。
この人の証は「肝気横逆」です。ストレスや緊張、情緒変動の影響で肝気の流れが悪くなっている体質です。肝気が鬱滞して自律神経系が失調し、脾の機能が失調し、下痢が生じています。いらいらしやすい、腹部膨満感、腹鳴、腹痛をともなう下痢、残便感などは、この証の特徴です。
この証の人に対しては、肝気の流れを調える漢方薬を使います。この人の場合は、漢方薬を服用し、4カ月ほどで下痢をしなくなりました。おなかの調子もよくなりました。
いらいら、怒りっぽい、のぼせなど、熱証が強い場合はそれに応じた処方を使います。
◆こんなケースも
同じようにストレスや緊張で下痢をする場合でも、もともと胃腸が弱いところに、ほんのちょっとしたストレスや緊張、不安が引き金となって下痢になることもあります。この証を「脾虚肝乗」といいます。漢方薬で消化器系の機能を高めつつ、ストレスを和らげて下痢を解消していきます。
肝気横逆と脾虚肝乗は過敏性腸症候群にもなりやすい証です。
(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆・監修しました。日経DIオンラインにも掲載)
*執筆・監修者紹介*
幸井俊高 (こうい としたか)
東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。
あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの証(体質や病状)により異なります。自分に合った漢方薬を選ぶためには、正確に処方の判断ができる漢方の専門家に相談することが、もっとも安心で確実です。どうぞお気軽にご連絡ください。
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