アンチエイジングの漢方

知っている人は続けている
・・・漢方によるアンチエイジング・老化防止

マルガリータ・ユキです。アンチエイジング・老化防止の漢方について、帝国ホテルプラザ内「薬石花房 幸福薬局」の中医師・幸井俊高先生に、お話をうかがいました。

ユキ:最近はお年を召しても元気で心身ともに若々しく美しさを保っている方が増えてきたように思います。

皆様それぞれに若さを保つ秘訣をお持ちなのかと思いますが、漢方によるアンチエイジングという方法もあるのでしょうか。

先生:はい、私の薬局では、これといった病気はないけれど、漢方を飲んでいると調子がいいという理由で長年続けていらっしゃる方が少なくありません。

50代以上の方が多いのですが、皆さん例外なく心身ともにお元気で若々しさを維持していらっしゃいます。これを見ても漢方のアンチエイジング効果・老化防止・健康維持効果が実感できます。

ユキ:病気や不調がないのに漢方を飲む方もいらっしゃるのですね。

先生:私の薬局の治療方針は次の4つです。

1 治病求本 体質改善による慢性病の快癒
2 心身一如 心身の安定したバランス
3 延年益寿 病気の予防と元気な老後
4 美容香身 生まれ持ったきれいな素肌

いずれも二千年ほど前から漢方がじっくりと歳月をかけて取り組んできたことです。

このうち3と4は特に病気や不調がない方も対象としています。

アンチエイジングや美容は、人が生まれながらにして持っている生命力や美しさを最大限に活用する術を生かすことができる、漢方の得意分野なのです。

私の薬局にはアンチエイジングや美容が目的の方もよくいらっしゃいますからご安心ください。

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漢方以外のアンチエイジングをどう考えるか

ユキ:アンチエイジング・老化防止の方法としてよく耳にするのは、化粧品、フェイスリフトなど美容皮膚科での施術、サプリ、健康食品などですが。

先生:まず、化粧品や美容皮膚科の施術は外側からの対策なので、からだの内側の老化防止にはなりません。内側が衰えていればいくら外側から治しても表面的に整えることしかできません。

次に、サプリや健康食品はからだの内側からの対策である点はよいのですが、特定のサプリが誰によいのか、どのサプリが自分によいのかの考え方がはっきりしないので、ご自分で効果が実感できるものを試行錯誤で探していただくしかありません。

また効能成分だけを抽出して作ったサプリの錠剤などですと、自然の生薬や食品に含まれている微量成分や「気」のパワーが消失しているほか、栄養が不自然に偏る場合もあると思われます。

私としては、やはりサプリより漢方薬や食物を上手に取り入れる方がよいのではないかという気がしています。

 

漢方のアンチエイジングが優れている理由

先生:漢方のアンチエイジング・老化防止・健康維持効果には次の3つの特徴があるので、他の方法と比べて高い効果が期待できます。

からだの内側からの対策であること。
個人個人の体質や心身の状態に特化して最も効果的な漢方薬がオーダーメイドできること。
体内のバランスの偏りを見つけて本来の姿に戻すための優れた理論体系に基づいていること。

ユキ:からだの内側から、というのは食物も同じですね。

先生:はい、アンチエイジングのためには健康的な食生活がとても大事です。それに加えて自分の体質に合った漢方薬を常用すれば、アンチエイジング効果がぐっと高まります。

ユキ:自分の体質にあった漢方薬といいますと?

先生:それが漢方のアンチエイジングの2番目の特徴です。おひとりおひとりの心身の状態を見極め、体質に合った一番効果的な処方を選ぶことができるのが、漢方の特徴です。

ユキ:漢方でいう体質とはどのようなものですか。

先生:3番目の特徴にあるように、漢方は体内のバランスの偏りを本来の姿に戻す薬です。

例えば冷えがあるのか熱があるのか、乾燥しているのか余分な水分をためこんでいるのか、「気」や「血」の量が不足しているか、流れが滞っているか、など、人によってそれぞれ違う特徴や弱みを持っています。

たとえ病気や不調として表れていなくても、偏りやすい部分や、負担がかかりやすい臓腑などが人によって違います。それが体質です。

漢方では体質を見極めて、その偏りやすい部分、弱点となっている部分に作用して問題が起こるのを防ぐ働きをします。その結果健康が維持され、からだ本来の生命力や美しさが最大限に発揮されることで、アンチエイジング・老化防止につながるのです。

ユキ:どうやって体質を見極めるのですか。

先生:直接にお目にかかって詳しい問診をさせていただきます。お顔色や声、舌の様子などからもいろいろなことがわかります。

漢方の理論で、それらの情報から体質を判断することができます。そして判断した体質をご説明した上で、最もふさわしい漢方薬をお勧めします。

たとえば高年齢になり生命エネルギーの源である五臓の「腎」が弱まっている場合は、腎を補強する生薬を処方します。

ユキ:漢方薬以外に気を付けることはありますか。

 

食生活にも応用可能、精神のアンチエイジングも漢方で

先生:実は食物にも、漢方薬ほど強い作用ではありませんが、同じ理論に基づく効果効能があります。これを利用したのが薬膳料理です。

食物は特定のものに偏らず季節のものを中心にバランスよく食べるのが原則ですが、自分の体質を知っていれば、どんな食物が自分には特にふさわしいかを意識することができ、健康維持効果が一層高まります。

その他、適度な運動と睡眠、深い呼吸を意識すること、ストレスをためない工夫などを組み合わせるとなおよいでしょう。

私の薬局では漢方カウンセリングの際に、おひとりおひとりの体質にとくにふさわしい食べものや、食生活のアドバイスもしています。

ユキ:ストレスでイライラしたり気持ちがふさいだり、心配ばかりしていると、老化が早まりそうです。

先生:その通りです。アンチエイジングのためには精神面も大切です。

漢方では「気を流す」、「肝」や「胆」、「心」に働きかけるなどの手法によって、精神的な問題も解決することができます。

漢方を飲み始めて性格が穏やかになったり明るくなったりすることは珍しいことではありません。

最初のカウンセリングで暗くて印象が薄かった方が、漢方を初めて2度目のカウンセリングの時には見違えるようで、この方は本当はこんなに綺麗だったのか、とはっとすることもしばしばです。

ユキ:漢方でのアンチエイジングという発想、とても魅力的です。

まだまだ若返れる余地がある方、たくさんいらっしゃいますよね。

漢方で、からだ本来の生命力や美しさを最大限に発揮してみませんか。

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