不妊の要因は高年齢、ストレスなど。漢方で対策を!
漢方ガイドのマルガリータ・ユキです。「薬石花房 幸福薬局」(東京・千代田区)の中医師・幸井俊高先生に、不妊と漢方についてお話をうかがいました。
ユキ:不妊の原因は何ですか?
先生:第一に年齢です。私の薬局でも不妊の相談に見える女性は多くが35歳以 上です。中医学では女性に7年周期という考え方があり、35歳は節目な のです。皆さん若い方が妊娠しやすいことは十分ご承知ですが、いろいろな御事情があるんですね。
もちろん年齢が高くなっても体を整えて無事妊娠し、元気な赤ちゃんを授かった方はたくさんいらっしゃいます。漢方の力でこれからも是非応援したいと思っています。
ユキ:20代で幸せに妊娠・出産ができる環境であれば何よりですが、現代社会ではそうもいかない場合が多いのが悩みどころですね。他にはどんな原因がありますか。
先生:加齢とともに「腎」という機能が衰え、妊娠を難しくするのですが、若い方でも摂食障害、睡眠不足、過労などによって体を元気づかせるエネルギーが消耗し、老化に似た状態になっている場合があります。そんな場合は高齢の方と同じく、腎を補います。
ストレスも大きな要因に
ユキ:ストレスは関係ありますか?
先生:まさにそれを言おうとしていたところです。不妊で悩んでいらっしゃる方は、それだけでも大きなストレスを抱えていらっしゃいます。
ストレスは「肝」という機能を阻害し、気血のめぐりを妨げ、体の中に鬱憤がこもった状態になります。そんな状態だとなかなか妊娠もできず、気分もイライラし、精神的にもよくありません。
ですから肝の気の流れをよくする漢方薬もよく使います。次にいらした時、性格や顔つきまで穏やかになっておられて、こちらが驚くこともあるんですよ。
ユキ:私の知人で、長年不妊治療を頑張ったけれどダメだったので、思い切りよくあきらめたら、その途端に妊娠したという方がいらっしゃいます。
先生:緊張から解放されたことが大きかったのでしょうね。ストレスと言えばもちろん、仕事や日常生活で過剰なストレスを受けているのもいけません。精神がリラックスできる状態を確保することが大事です。
ユキ:現代人には難しい課題ですが、大切なことですね。
その他の原因も漢方で対処
先生:その他には、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、子宮筋腫など特定の病状による場合がありますが、こうした場合もそれに応じた漢方薬を使います。
ユキ: 人それぞれで対処法が違うのですね。不妊治療における漢方薬の役割をひとことで言うと?
先生:弱っている生殖機能を元気づかせると同時に赤ちゃんを育てられるだけの元気な母体づくりのお手伝いをすることですね。病院の治療と併用する方も多くいらっしゃいます。せっかく受精に成功しても母体が弱ったままでは育てられませんからね。
●●ユキの感想●●
不妊医療を行うクリニックをよく見かけるようになったのは、妊娠・出産の高齢化の表れなんだと思いました。これらは現代社会ならではのサポート体制。漢方のサポート力もとっても頼りになりそう。たくさんの元気な赤ちゃんが無事生まれますように。
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幸井先生の記事をご参照ください。
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