胸やけの症例
(こちらの記事の監修:中医師 幸井俊高)
薬石花房 幸福薬局 の漢方薬で胸やけが治った症例
こちらは症例紹介ページです。胸やけの解説ページは こちら へどうぞ
■症例1「このところ宴会が続いており、胸やけがします。食欲も減退気味ですが、なかなか断れない宴会が多く、食べ過ぎ飲み過ぎの状態が続いています」
胸やけのほかに、げっぷがよく出ます。むかむかとする吐き気もあり、ときに呑酸も生じます。舌には厚い舌苔が付着しています。
この人の証は、「食滞(しょくたい)」です。胃の許容範囲を超えて飲食物が胃に流れ込んできたために胃に負担がかかっている状態です。胃の運動が失調し、胸やけが生じています。
暴飲暴食のほかに、消化が悪いものの飲食によってもこの証になります。
げっぷ、吐き気、食欲減退、呑酸、厚い舌苔などは、この証の特徴です。げっぷは多くの場合、腐臭を伴います。
嘔吐すると気分が楽になる、腹部の膨満感などの症状がみられることもあります。
この証に対しては、消化吸収を促進し、停滞を緩和させて胃の運動を回復させる漢方薬を用いて治療に当たります。この人は漢方薬を服用し、1週間で胸やけがなくなりました。その後もしばらく宴会が続きましたが、体調を崩すことなく過ごせました。
■症例2「ここ数年、胸やけが続いています。胃酸分泌抑制薬や粘膜保護薬を服用していますが、あまり効果が感じられません」
口がよく渇きます。口内炎がよくできます。舌は深紅色で乾燥しており、舌苔がほとんど付いていません。
この人の証は「胃陰虚(いいんきょ)」です。六腑の胃の陰液が不足している体質です。六腑の胃は、解剖学的な胃ではなく、口腔内を含め広く消化器官を指します。この胃が陰液不足により乾燥するので、口渇が生じています。
陰液が少ないために相対的に熱が余り、胃気とともに熱邪が上昇し、胸やけや口内炎が生じています。虚熱タイプの胸やけです。
この体質の場合は、胃の陰液を補い、胃気を降下させて胃の機能を正常化させていきます。よく使われる処方には、この人は漢方薬を服用し、半年ほどで胸やけを完治しました。
■症例3「焼けるような、ときに痛みを伴う胸やけが、毎朝のように続いています。口臭も気になります」
日ごろから、脂っこいものや、刺激の強いもの、味の濃いもの、アルコール類を好みます。朝起きると、口の中が粘ついています。呑酸、歯周病もあります。冷たい水を好んで飲みます。舌をみると紅く、その上に黄色い舌苔がついています。
この人の証は、「胃熱(いねつ)」です。胃から上部の消化器官で炎症を起こしやすい体質です。
常日ごろの飲食の嗜好が熱邪と化し、胃熱となって胸やけが生じています。
飲食物の影響で夜中にも胃酸が過剰に分泌されるので、朝起きたときに胸やけがします。実熱タイプの胸やけです。
この証に対しては、胃熱を冷ます漢方薬で胸やけを治療します。この人の場合は、漢方薬を服用して3カ月ほどで胸やけが治まりました。5カ月後には歯周病も治りました。
(こちらの記事は「薬石花房 幸福薬局」幸井俊高が執筆・監修しました。日経DIオンラインにも掲載)
*執筆・監修者紹介*
幸井俊高 (こうい としたか)
東京大学薬学部卒業。北京中医薬大学卒業。中国政府より日本人として18人目の中医師の認定を受ける。「薬石花房 幸福薬局」院長。『医師・薬剤師のための漢方のエッセンス』『漢方治療指針』(日経BP)など漢方関連書籍を25冊以上執筆・出版している。日本経済新聞社の医師・薬剤師向けサイト「日経メディカル(日経DI)」や「日経グッデイ」にて長年にわたり漢方コラムを担当・連載・執筆。中国、台湾、韓国など海外での出版も多い。17年間にわたり帝国ホテル東京内で営業したのち、ホテルの建て替えに伴い、現在は東京・銀座で営業している。
あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの証(体質や病状)により異なります。自分に合った漢方薬を選ぶためには、正確に処方の判断ができる漢方の専門家に相談することが、もっとも安心で確実です。どうぞお気軽にご連絡ください。
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