腹痛の症例

薬石花房 幸福薬局 の漢方薬で腹痛が治った症例

こちらは症例紹介ページです。腹痛の解説ページは こちら へどうぞ

■症例1「おなかが冷えて痛みます。おなか全体が引きつったような痛みです」

普段から冷え症で、丈夫な方ではありません。薄着をしていたせいか、おなかが痛くなりました。腹部の膨満感もあり、軟便気味です。痛みは、温めると楽になります。手足も冷えます。舌は白っぽい色をしており、その上に湿っぽく白い舌苔が付着しています。

この人の証は「寒邪内阻(かんじゃないそ)」です。冷たい飲食物の摂取や寒い外界の刺激により、寒邪が体内に侵入すると、この証になります。寒邪が脾胃の機能を停滞させるため、腹痛が生じます。

冷え、痙攣性の腹痛、温めると楽になる、白っぽい舌の色、湿っぽく白い舌苔などは、この証の特徴です。手足のしびれを伴う場合もあります。

この証の人に対しては、おなかを温める力の強い漢方薬で腹痛を緩和させていきます。この人は3週間の服用で腹痛が起きなくなりましたが、丈夫な体質づくりにも効果がある処方なので、その後も服用し続けています。


■症例2「おなかの調子がよくありません。慢性的に腹痛が繰り返し生じます。温めたり手で押さえたりすると楽になります」

痛みは鈍痛です。冷えるとすぐに痛みが生じます。便も軟らかく、時に水様便が出ます。疲れやすく、食欲がありません。手足も冷えます。白っぽい色の舌に、湿った白い舌苔が付いています。

この人の証は「脾胃陽虚(ひいようきょ)」です。五臓六腑の脾胃の機能が弱いため、飲食物を消化吸収する機能、さらに熱を生成する力が弱くなっている体質です。冷えのために気血の流れが悪くなり、腹痛が生じます。

尿が薄くて多い、唾液やよだれが多い、味覚が鈍いなどの症状がみられることもあります。

この体質の場合は、脾胃の機能を高め、冷えを改善する漢方薬で腹痛の治療をします。この人は漢方薬を服用し、3カ月後には便の状態が良くなり、半年後には腹痛もほとんど起きなくなりました。1年後にはすっかり元気になり、かぜをひかなくなった、体重も増えた、と喜ばれました。


■症例3「ストレスや緊張で、すぐおなかが痛くなります。ガスがたまりやすく、よく下腹部が張ります」

腹痛は、張った感じの痛み方をします。痛みは状況によって強くなったり和らいだりします。げっぷで一時的に楽になります。舌を見ると、紅色をしています。

この人の証は「肝鬱気滞(かんうつきたい)」です。体の諸機能を調節する臓腑である五臓の肝(かん)の気(肝気)の流れが滞っている体質です。ストレスや緊張が持続すると、この証になります。肝気の流れが滞って脾胃の機能を失調させ、腹痛が生じます。

ストレスや緊張で悪化、張った痛み、膨満感、紅色の舌などは、この証の特徴です。便秘と下痢を繰り返す、便が細い、頻尿などの症状を伴う場合もあります。

この場合は、漢方薬で肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにし、ストレス抵抗性を高め、腹痛を治していきます。この人は服用を始めて1カ月で諸症状が緩和しましたが、まだ薬をやめると再発するので半年ほど飲み続け、完治させました。その後、再発はありません。

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以上の症例は「日経DIオンライン」に幸井俊高が執筆した以下の記事にも掲載しています。
腹痛の考え方と漢方処方
慢性的な腹痛への漢方処方

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自分に合った漢方薬に出会うには

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(一般によくみられる、病名と検査結果だけをもとに、漢方が専門でない人が処方を決める方法では、最適の処方を選ぶことができず、治療効果はあまり期待できません。)

 

当薬局では、まず必要十分な診察(カウンセリング)を行い、その人の体質や病状をしっかりと把握し、それをもとに一人一人に最適な漢方薬を処方しています。

 

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