腹部膨満感(おなかの張り)

◆お腹が張って不快な腹部膨満感は漢方で改善できる


日常的にお腹が張る腹部膨満感に困っている方は少なくありません。

腸管内にガスがたまったり、飲食物が停滞したりするこで生じる腹部膨満感はそれ自体不快なだけでなく、腸内の空気が多いためにおなかが鳴ってしまい、それが気になる人もいます。

ガスがたまる原因には、唾液や食べ物と一緒に空気を飲み込んでしまう場合や、腸内細菌の作用によってガスが多量に発生してしまう場合などがあります。前者は、呑気症(どんきしょう、空気嚥下症)とも呼ばれます。

漢方の視点で腹部膨満感と関係が深いのは、五臓六腑の脾胃です。

は六腑の一つであり、飲食物を受け入れ、消化し、食べた物を人体に有用な形に変化させてそれを脾に渡し、残りのかすを下の小腸・大腸に降ろします。

は五臓の一つであり、胃から受け取った栄養分を体の上方に持ち上げ、気血を生成し、全身に輸送します。

腹部膨満感はこれら脾胃の機能の失調によって生じます。

漢方では、腹部膨満感の原因となっている脾胃の機能を漢方薬で立て直すことにより、腹部膨満感を治療します。脾胃機能を失調させた原因が明らかな場合は、そちらの改善も進めます。

 

◆腹部膨満感によくあるタイプ・・・あなたはどれ?

<体質やタイプを漢方で証(しょう)といいます>


(1)「脾気虚(ひききょ)」証

消化吸収や代謝をつかさどる五臓のの機能(脾気)が弱い体質です。

このために腹部がもたれて張りやすくなっています。食欲不振や味覚の鈍化もみられます。

→ 脾気を強めて運化を正常に行わせる漢方薬を用います。

(2)「脾陽虚(ひようきょ)」証

(1)の脾気虚証に加えて、体を温める力が衰えている体質です。

おなかや手足が冷えやすく、おなかがしくしく痛みます

→ 消化吸収機能を調えて体内のエネルギーを高め、体を芯から温めてくれる漢方薬を用います。

(3)「脾気陰両虚(ひきいんりょうきょ)」

(1)の脾気虚証に加えて、陰液(潤い成分)も不足している体質です。

脾気虚が長期化した場合にみられやすい証です。陰液が少ないので、口唇の乾燥などもみられます。

→ 脾気と陰液を補う漢方薬を用います。

(4)「肝鬱気滞(かんうつきたい)」証

体の諸機能を調節する臓腑である五臓のの機能(肝気)の流れが滞っている体質です。

ストレスや緊張が持続すると、この証になります。肝気の流れが悪化して、その影響がに及ぶと脾気が停滞し、腹部膨満感が生じます。ストレスが強いとお腹が張ったり鳴ったりしやすくなります。

→ 肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにする漢方薬を用います。

(5)「湿困脾胃(しつこんひい)」証

脾に湿邪が過剰に侵入したため、の機能が阻害された状態です。

湿邪は病邪の一つで、湿気のようにねっとりとした症候を引き起こす病邪です。これが脾の機能を阻害すると水分代謝に障害がおき、腹部膨満感が生じます。食欲不振、胃もたれ、べっとりとした舌苔、重だるい感じなどを伴います。

→ 脾胃の湿邪を除去する漢方薬を用います。

(6)「湿熱(しつねつ)」証

体内で過剰な湿邪熱邪が結合した状態です。

(5)の湿困脾胃証が長期化して熱を帯びると、この証になります。

あるいは、脂っこい物、刺激物、味の濃い物、生ものやアルコール類の日常的摂取や大量摂取、不潔な物の飲食などによっても、この証になります。

(5)の湿困脾胃の症状に加え、口臭、口内の粘りなど、熱を帯びた症状が伴います。

→ 湿熱を除去する漢方薬を用います。

(7)「寒凝(かんぎょう)」証

寒冷の性質を持つ病邪である寒邪(かんじゃ)が体内に侵入した状態です。

寒い季節や寒冷の環境、冷たい飲食物の摂取などにより、この証になります。寒邪が脾胃の機能を停滞させるため、腹部膨満感が生じます。お腹の冷え、つばやよだれが多いなどの症状を伴います。

→ おなかを温める力の強い漢方薬を用います。

(8)「食滞(しょくたい)」証

暴飲暴食や、消化が悪い物の飲食により、脾胃に負担が掛かっている状態です。

が消化したものを下におろす機能が失調し、腹部膨満感が生じます。胸やけや吐き気、げっぷもみられます。

→ 消化吸収機能を促進して停滞を緩和させる漢方薬を用います。


◆腹部膨満感に効果的な漢方薬

平胃散、茵蔯蒿湯、茵蔯五苓散、当帰湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、五積散、四君子湯、六君子湯、人参湯、参苓白朮散、四逆散、加味逍遙散、大柴胡湯

あなたに合った漢方薬が何かは、あなたの体質により異なります。

自分にあった漢方薬が何かを知るには、漢方の専門家に相談し、自分の体質にあった漢方薬を選ぶ必要があります。
どうぞお気軽にご連絡をください。

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自分に合った漢方薬に出会うには

自分の病気や症状を改善してくれる漢方処方は何か。それを判断するためには、その人の自覚症状や舌の状態など、多くの情報が必要になります。漢方の場合、同じ病気でも、その人の体質や体調により、使う処方が違うからです。

 

そのために必要なのが、カウンセリングです。漢方の専門家がじっくりとお話をうかがって、あなたの体質を判断し、あなたに最適な漢方薬を決めていきます。

 

当薬局は、帝国ホテル内にあるカウンセリング専門の漢方薬局です。まず薬局でカウンセリングをし、その方のご症状やご体質をしっかりと把握し、それをもとに、おひとりおひとりに最適な漢方薬を調合しております。

 

自分にあった漢方薬に出会う秘訣は、「信頼できる専門家のカウンセリングを受けること」です。しっかりしたカウンセリングを受けて、あなたに最適な漢方薬を見つけてください。

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