逆流性食道炎

漢方相談が増加の「逆流性食道炎」

逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流して食道の粘膜を刺激し、粘膜に炎症やびらん(粘膜のただれ)、潰瘍を引き起こす病気です。本来は胃のなかのものが口のほうへ逆流しないように閉まっているはずの胃の入口(噴門)が、なんらかの原因で開いているために、胃酸や、場合によっては食べたものが食道に逆流してきます。

胃酸は強い酸性なので食道の粘膜を傷つけ、痛みや不快感が生じます。

噴門が開くのは噴門部の筋肉がゆるんでしまうためですが、それ以外にも、胃酸そのものの過剰分泌、食道の蠕動運動の失調、食道裂孔ヘルニアなどにより、この病気は生じます。

これらの症状は、ストレス、暴飲暴食、とくに脂肪の多い食事や過度の飲酒、それに肥満、喫煙、猫背などわるい姿勢、加齢などにより生じやすく、近年この病気は日本で増え続けているようです。パソコンを前に背中を丸くしてあごを出して足を組んで座る姿勢などは、相当胃を圧迫していることでしょう。

◆漢方の視点による逆流性食道炎の原因:「肝」と「胃」の失調


逆流性食道炎でよくみられる症状は、胸やけ、げっぷ、むかつき、酸っぱい胃酸が口までこみ上げてくる(呑酸)、吐き気などです。さらに、みぞおちの痛み、腹部膨満感、胸の痛みや不快感、胸のあたりがつかえる感じ、のどの違和感や痛み、咳などの症状もみられます。いずれも食道やその周辺が胃酸などにやられて生じています。

漢方では、この病気は五臓六腑の「肝(かん)」や「胃」の不調によるものととらえています。

は五臓のひとつで、自律神経系と関係が深く、ストレスの影響を受けやすい臓腑です。

は六腑のひとつで、飲食物を受け入れて消化する器官です。

これらの機能が失調した結果、逆流性食道炎になります。

漢方でいう「胃」は、解剖学的な臓器としての胃とはイコールではありません。六腑の胃は、解剖学的な胃や小腸などの消化器官や、さらに消化酵素なども含めた概念です。この胃の消化機能を胃気(いき)といいます。

逆流性食道炎のよくあるタイプと主な処方

(1)ストレス性の逆流性食道炎・・・「肝火犯胃(かんかはんい)」証
ストレスなどの影響で肝が熱を帯びて肝火となり、胃の降下機能が妨げられて逆に上昇してしまい、逆流性食道炎となったタイプ。胃酸でのどが焼けてひりひりするので水分をほしがります。

→ 肝火を冷まし、胃を落ち着かせる漢方薬を使います。代表的な処方は竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)です。肝火を冷まし、熱証を和らげてくれます。

(2)胃の陰液が慢性的に不足している逆流性食道炎・・・「胃陰虚(いいんきょ)」証
胃の陰液が不足して熱を制しきれず、胃気が熱とともに上昇し、胸やけなどが生じています。唾液が少なくて口のなかが乾燥し、水分がほしくなります。

→ 胃の陰液を補うことにより、熱を冷まし、胃気を降下させて胃の機能を正常化させ、逆流性食道炎を治療していきます。麦門冬湯(ばくもんどうとう)が効果的です。

(3)暴飲暴食などで胃に相当の負担の「食滞(しょくたい)」証
胃の降下機能がストップし、胸やけや吐き気、げっぷが生じて逆流性食道炎になったタイプ

→ 大柴胡湯(だいさいことう)などで消化吸収機能を高めて胃腸の働きを立て直し、逆流性食道炎の治療を進めます。

からえずき、げっぷ、あるいは呑酸がかなり頻繁に出る場合は、生姜瀉心湯(しょうきょうしゃしんとう)も有効です。とくにげっぷの臭いが強い場合に効果的です。

その他、ケースによって三黄瀉心湯、黄連解毒湯、調胃承気湯、四君子湯、小柴胡湯、四逆散、白虎加人参湯なども使います。

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